SDGsについての取り組みが世間で議論されるようになり、約10年が経とうとしています。皆さんSDGsについてどれくらい理解できていますか?そしてどのように取り組んでいますか?
多くの自治体や企業でSDGsの取り組みが成され、各所でSDGsを目にすることも多いでしょう。しかし、SDGsって何か理解しきれていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回はいまさら聞けないSDGsについて簡単に解説していこうと思います。
SDGsについての議論は、2012年にリオデジャネイロで行われた国連持続可能な開発会議ではじまりました。目的は、気候変動への対策や世界中の格差是正などの課題を解決することで、持続可能な社会を目指すことでした。
SDGsが誕生する以前には、MDGs(ミレニアム開発目標)というものがありました。これは、人間の尊厳を奪う貧困へのグローバルな取り組みとして2000年に開始され、2015年までを目標にしたものです。一般的にSDGsの前のフェーズであるとされています。ですから、この取り組み自体は2000年からと言っても良いでしょう。
MDGs(ミレニアム開発目標)は、8つの目標と20のターゲットでできており、2015年時点で歴史上最も成功した貧困撲滅のための取り組みであったとされる一方で、課題も残りました。そこでSDGsは、MDGsで達成できなかった課題である「環境」や「社会」「経済」に配慮した取り組みを目標に掲げられました。
SDGsはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略です。SDGsは、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能で、よりよい社会の実現を目指す世界共通の目標です。
2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられました。言い換えると、子どもたちの未来を守って将来的にも豊かな暮らしができるように設定された目標を達成することがSDGsであると言えます。
2030年を達成年限とし、達成するべき17の目標とそれぞれの目標における169のターゲットから構成されています。
SDGsの良い点は、各国政府だけが検討しアクションするのではなく、政府や国連はもちろんのこと、自治体や企業、そして個人までもが目標達成のためのアクションを起こすことができるのです。裏を返して言えば、個人レベルから意識しアクションすることで、はじめて「誰一人取り残さない」持続可能でよりより社会の実現を目指すことができるのです。
目標1
貧困をなくそう
目標2
飢餓をゼロに
目標3
すべての人に健康と福祉を
目標4
質の高い教育をみんなに
目標5
ジェンダー平等を実現しよう
目標6
安全な水とトイレを世界中に
目標7
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
目標8
働きがいも経済成長も
目標9
産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10
人や国の不平等をなくそう
目標11
住み続けられるまちづくりを
目標12
つくる責任つかう責任
目標13
気候変動に具体的な対策を
目標14
海の豊かさを守ろう
目標15
陸の豊かさも守ろう
目標16
平和と公正をすべての人に
目標17
パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsは、2015年の国連総会で全会一致で採択された「我々の世界を変革する 持続可能な開発のための2030アジェンダ」という文書の一部です。
文書の「前文」には、このSDGsで何を目指すのか、17の目標とは何か、目標を実現するためにどんな決意をしたのかということが書かれています。ですからSDGsの概要を理解するためにはまず「前文」を読んでみるのがいいでしょう。
この計画(アジェンダ)は、人間と地球、そして 繁栄のための行動計画です。
そして、より大きな自由と、平和を追い求めるものでもあります。
わたしたちは、持続可能な世界を築くためには、
極度の貧困をふくめ、あらゆる形の、
そして、あらゆる面の貧困をなくすことが一番大きな、
解決しなければならない課題であると、みとめます。
すべての国と人びとが協力しあってこの計画を実行します。
わたしたちは、人びとを貧困や欠乏からときはなち、地球を守ることを決意します。
わたしたちは、持続可能で、強くしなやかな世界に向かう道を歩んでいくために、
今すぐ大胆で変化をもたらす行動を起こすことを決意します。
ともに持続可能な世界へ向かうこの旅をはじめるにあたり、
だれひとり取り残さないことを誓います。
わたしたちが発表する17の目標と169のターゲットは、
このアジェンダがどれだけ広く高い目標をかかげているかを表しています。
これらの目標やターゲットは、ミレニアム開発目標をもとにし、
達成できなかった目標をすべて達成することを目指しています。
すべての人の人権を実現し、ジェンダーの平等、
そして女性や女の子の能力を引き出すことを目指します。
これらの目標とターゲットは互いにつながり分けられないものであり、
持続可能な開発の3つの側面、
つまり、「経済」と「社会」と「環境」のバランスを保つものです。
これらの目標とターゲットは、人類と地球にとってとても大事な分野の、
2030年までの行動を進めるものになるでしょう。
持続可能な開発目標のそれぞれの目標が、
お互いにつながり、関連していることは、
このアジェンダの目的を実現するうえでとても重要です。
わたしたちが、このアジェンダにかかげた高い目標のすべてを実現することができれば、
すべての人の生活が大きく改善され、
より良い世界へと変わっていくでしょう
SDGs(持続可能な開発目標)について、簡単に紹介や解説しきました。2030年をゴールとして掲げられた目標は、いまだ改善すべき点が多く残り、ゴール目標に到達できない可能性が高いと言われています。目標達成のためには、多くの人がその目標をきちんと理解し、個人レベルで身近なところから取り組んでいく事が必要でしょう。