SDGs取組事例

うなぎの頭をまるごとペットフードに 廃棄資源を活用、浜松新名物目指す

うなぎの頭をまるごとペットフードに 廃棄資源を活用、浜松新名物目指す

うなぎの井口

うなぎ名物の街としておなじみの静岡県浜松市。市内にある汽水湖「浜名湖」には、昔からうなぎの稚魚であるシラスウナギが生息しておりうなぎの養殖が盛んだったため、日本のうなぎの歴史を築いてきたとされています。 また、浜松は東海道の中間に位置するため全国へ流通もしやすく、全国的に有名なうなぎ産地になったと言われています。一方で近年、シラスウナギの漁獲量が減少し価格が高騰。この影響で市内の養鰻業者も全盛期に比べ10パーセント以下に激減しています。

そんな中、浜松市内の3社がコラボして、国産うなぎの頭をまるごと使ったペットフード「DRY EEL(ドライイール)」を開発しました。製造過程で通常廃棄されてしまううなぎの頭の部位を資源として有効活用することでSDGsの実現へ向け貢献すると共に、新たな地元名物にすることで地域活性化を目指しています。

手掛けたのは、国産うなぎのテイクアウト専門店「うなぎの井口」、ペット商品を通信販売する「オフィスグローボネット」、室内ドッグランやドッグホテルなどを運営する「DogリフレOGGi(オッジ)」。 今回、各社の代表にお話を伺い、この取り組みについて紹介します。

浜松

きっかけは、「オフィスグローボネット」代表の永井佳子さんと「DogリフレOGGi」店主の荻一司さんが、「浜松名物のうなぎを活かしたペットフードを開発しよう」と動き出したこと。浜松商工会議所の紹介により井口恵丞さんが社長を務める「うなぎの井口」が加わり共同開発がスタートしました。開発当初を振り返り井口さんは「大切な地域資源としてうなぎの頭も一つの価値になるならと考え、コラボに協力することを決めた」と話してくださいました。

浜松市は、政令指定都市内で人口1000人あたりの犬の飼育登録数が最も多いというデータがあります。また、近年ペットを家族の一員として考える傾向も強く、高価格帯のドッグフードの需要が拡大しているそうです。「製造元が明確で健康に良いものを食べさせたいという飼い主が多い」と感じた荻さん。うなぎは、動物性たんぱく質やカルシウムやビタミンなどを多く含み栄養価が高い食材です。同品は、通常廃棄してしまう「うなぎの井口」の国産うなぎの頭を、浜松市内にある「オッジ」で加工して商品化しています。

うなぎ

うなぎの頭は冷凍せずに、捌いた当日に生のまま煮込み、約1日半かけて自然乾燥させて仕上げます。事前に長時間かけて血抜きすることで臭みを抑えられ、保存料を使わず味付けもしないため、うなぎそのままの風味を感じられるそうです。「煮沸殺菌と丁寧な血抜き処理により衛生面に配慮している」と荻さん。同品は、食品衛生検査機関で検査を行い、人が食べても安全とされる「ヒューマングレード」の商品として展開しています。パッケージは、食べやすく小分けし、ポップなうなぎとリアルなうなぎのイラストをあしらった2種類のデザインを用意しました。

DRY EEL(ドライイール)

地域資源を活用した「犬のおやつ」として完成した「ドライイール」は、2024年7月に発売開始しました。「犬も地球も喜ぶドライイールは、SDGsにも貢献できる商品」と永井さん。井口さんは、「うなぎ業界としても嬉しい取り組みになった」と笑顔で話してくれました。 将来的にはふるさと納税の返礼品に選ばれるような、新たな浜松名物を目指していくそうです。今後の展開にさらに期待したいです。

■商品情報
商品名  DRY EEL(ドライイール)
価 格  1,100円
内容量  1袋70g入
販売場所 「オフィスグローボネット」が運営する通販サイト「ねこのて商会」「Dogリフレ OGGi」店頭

SDGs達成を通じた取組み

目標11

住み続けられるまちづくりを

目標12

つくる責任つかう責任

目標14

海の豊かさを守ろう

企業情報
企業名
うなぎの井口
代表者
井口恵丞
本社地
静岡県浜松市浜名区平口253-1

https://www.una-iguchi.jp/

BACK
pagetop