目標6.安全な水とトイレを世界中に ターゲット4
世界では22億人が管理された安全な飲み水を得られず、そのうち1億4,000万人ほどは未処理の地表水を利用せざるを得ないなど、水不足が深刻な問題となっています。
現在、世界人口の40%以上にあたる36億人が水不足に悩まされており、今後も上昇すると予測されています。
この状況が続けば、2050年には次のような問題が起こる見込みです。
・約97億人になると予測される世界人口の約半数が水不足にさらされる。
・4人に1人は慢性的な水不足の影響を受ける。
この影響は人々の生活に様々な影響を及ぼします。
飲み水の問題だけでなく、世界の穀物生産の約半分に影響し、水ストレスによるリスクを負うことになるのです。
これらの問題は増加する人口や食糧を得るための農業、産業により要求する水循環の環境が増え続けていること、さらに近年の気候変動が原因とされています。
水不足問題において水ストレスという指標が用いられます。
水ストレスとは1人当たりの年間使用可能水量あるいは年利用量を河川など潜在的年利用可能量の値で表されます。
年間使用可能水量であれば、1,700tを下回り、日常生活に不便を感じる状態を示したものが水ストレスとなるのです。
国内の農業、家庭、工業用水などを十分に利用できない人が80%に上っている状態は、水ストレスが極めて高いレベルであり、水不足が深刻な状況です。
そしてその高いレベルでの水ストレス状態に直面している地域は世界17カ国、18億人にも上るといわれており、このままいけば2025年までに48カ国の28億人が水ストレスあるいは水不足にさらされると予測されています。
その中で水問題のリスクが最も厳しいのが「カタール」であり、中東や北アフリカがその脅威に晒されています。
他にもインド南部にある都市では熱波とモンスーンにより、いくつかの淡水湖が干上がって水不足が引き起こされ、抗議活動や暴動を招いてしまっています。
極めて高い水ストレスを抱える地域では、地表水や地下水から水を得ており、最大80%をそこから得なければならず、ちょっとした雨不足でも深刻な影響となってしまいます。
気候変動により、現在先ほど挙げた37カ国の国と地域で、このような高い水ストレス状態に直面することとなってしまっているのです。
次回の記事では、ターゲット5について解説していきます。