目標5.ジェンダー平等を実現しよう ターゲット4
男性や女性の垣根なく、どちらも平等に労働へ参加し、家事や育児を行うのが一般的になっています。
一方、未だに性別による差別はあり、女性がその能力を如何なく発揮できる環境が整っている場所はそれほど多くないことが問題です。
育児や家事、介護などの家事労働や、自営業・農作業などを無償で手伝う家族労働などはアンペイドワークと呼ばれます。
これらは時間や労力を使い働いているにもかかわらず、対価が支払われることはありません。
反対に、経済的な利益を生み出す賃金労働は、ペイドワークと言われています。
アンペイドワークは、近年問題視されることが増えてきています。
家事や育児、介護などは社会活動や人間の生活に必要不可欠な労働であるにもかかわらず、対価は支払われず、社会的に評価されることも少ないのが原因です。
専業主婦が多かった以前と比べて、共働きの家庭が増えた現代でも家庭内で家事、育児、介護を主に行なっているのは女性の割合が多い傾向にあります。
一方で、専業主婦は家事や育児、介護を毎日休みなく行なったとしても、誰からも対価は支払われません。
経済産業省の試算では、主に家事労働を担う専業主婦はおよそ304万円、育児を含めた家事は年間で410万円分の働きであるとされています。
日本における、6歳未満の子どもをもつ夫の週全体平均1日あたりの家事や育児に費やす時間は67分という結果が出ています。
これを欧米の主要国と比較すると、各国は150~200分程度となっており、日本とは約2~3倍の差があります。
一方、日本における妻が週全体平均1日あたりの家事や育児に費やす時間は461分で、これは夫の約7倍に当たります。
さらに、各国でも女性の方が家事や育児に費やす時間は長いですが、それでも男性と女性との差は日本と比べて小さいと言う結果が出ています。
このようなデータから、日本では妻の家事や育児などの分担割合が主要国に比べて明らかに高いことが分かるでしょう。
法整備や環境の改善により女性が能力を発揮できる場を設けるとともに、家庭では家事や育児など、報酬には替えられない労働を夫婦や家族で分担して、公平に行う世の中を構築していく必要があるのです。
次回の記事では、ターゲット5について解説していきます。