目標4.質の高い教育をみんなに ターゲットc
質の高い教育を全員が受けられる環境と整えるためには、質の高い教員を一定数確保することが必要不可欠です。
開発途上国を中心に有資格の教員が不足しており、さらに教師の質が高くないことも問題視されています。
質の低さについては、教育環境が不十分な中で育ち、十分な教育を受けられていないことが要因の1つです。
他にも、家で話す言葉と学校で教わる言葉が異なるという問題もあります。
現地の言葉を理解できる教師の不足により、少数民族の言語での授業を受け入れないケースがあるため、言葉の制限がある中で勉強しなければならないのです。
国によってその傾向は異なるものの、質の高い教員数増加の課題は3つに分類できます。
学校の環境は急速に変化している一方で、教員養成課程がそれに対応できていません。
教員養成課程を履修した卒業生は、教室の現状に対応できるレベルの十分な訓練を受けられないため、教員養成課程で学んだことだけでは現場の要求に対して適切に対処できません。
さらに、東南アジアの多くの国々では、中等教育の卒業者で教職課程を第一志望にする人の数が多くないという課題もあります。
これは勤務条件が悪く、教員は身分が低いと思われているため、優秀な人材は教職を志望しないという事態が起きているのです。
開発途上国の多くは、教育の財源が不足しており、教員や教室、教材などの基本的なリソース(資産・資源)が十分に提供されておらず、都市部を中心として一学級あたりの児童生徒数が多くなりがちな傾向にあります。
同じ教室に様々な生徒がいるため、教員が生徒一人ひとりの理解度を確認しながら、そのレベルに応じた指導ができず、多人数学級を教える教員にとっては質の高い教育を行うのは困難です。
教員の給与は一般的に低く、他の職業と比較するとそれは如実に浮かび上がります。
昇進制度や研修機会も限られており、勤務時間も長くなる場合が多く、校外で様々なことを要求されることから勤務条件が良くないという課題があります。
質の高い教員を育成するためには、様々な教育方法についての理論的な勉強を課すだけでは不十分です。
理論面での理解と同時に、実践面でも手本となる優秀な教員の授業を実際に観察し、良い点を模倣しながら、ノウハウを体得していくことが大切です。
これを繰り返していくことで徐々に教員として真に必要な能力や技術を理解、習得できると考えられています。