目標4.質の高い教育をみんなに ターゲット6
社会で生活していくためには読み書きや計算についての基本的な能力は必要不可欠です。
一方で、世界にはそれらの基本的な能力を身につけられていない子どももたくさんいます。
識字率とは、文字の理解や読み書きができる人の割合のことを指します。
ユネスコでは、識字率を「日常生活で必要な簡単な文章を読み書きできる15歳以上の人の割合」と定義づけしていますが、実際は国によって異なるのが現状です。
国や地域の教育水準や生活水準を図るための指標としても用いられる識字率は、その地域が先進国と開発途上国のどちらであるかを判断する指標として重要な役割を果たしています。
現在、世界には7億7500万人の非識字者がいるとされており、その数はなんと日本人口の約7倍です。
発展途上国ほど識字率が低く、先進国ほど識字率が高いことも問題視されています。
実際にヨーロッパ・中央アジアの国は100%、東アジア・太平洋諸国・ラテンアメリカ・カリブ海諸国は99%の識字率となっています。
しかし、これだけ多くの国で識字率が高いにもかかわらず、世界全体の識字率は男性92%、女性88%と低いのが現状です。
その要因には、後発発展途上国では男性81%、女性73%と先進国と比べて低い識字率であることがあげられます。
統計を取った年が違ったり、統計の対象でない国もあったりしますが、識字率ワースト10か国では50%以上の人が非識字者です。
識字率が低い国はほとんどが発展途上国で、貧困の悪循環となっています。
教育が充実している先進国では識字率の数値が高い一方、教育の行き届いていない開発途上国では識字率が低い傾向にあります。
特にチャド、ニジェール、南スーダン、中央アフリカ、マリといったサハラ以南アフリカでは、依然として識字率は40%を下回っているのが現状です。
アフリカなどの開発途上国では、学校に行けない子どもが多く、文字の読み書きを習う機会がないまま大人になるため識字率が低い傾向にあります。
さらに日本では、労働基準法により児童労働が禁じられていますが、開発途上国では、生活困窮のために多くの子どもが働いているのが現状です。
とくに児童労働が深刻なアフリカでは、5人に1人の子ども(5〜17歳)が生活のために働いていており、教育の機会を逃してしまっています。
次回の記事では、ターゲット7について解説していきます。