目標4.質の高い教育をみんなに ターゲット2
世界的に初等教育や中等教育を受けられていない子供が数多くいる中、それを超える数の子供たちが就学前教育を受けることができていません。
全ての子供が初等教育の前段階である就学前教育を受けられるようにすることが、解決すべき問題となっています。
就学前教育の現状
就学前教育とは0〜5歳に幼稚園や保育施設等で受けられる教育のことを指します。
日本では幼稚園や保育園等の就学前教育を多くの子供たちが受けられていますが、世界に目を向けるとそれが叶わない子供がいる国もあります。
就学前教育では、その後の子供の教育の基礎が形成されるため、将来の子供の人生に大きな影響をおよぼすと考えられているのです。
就学前教育を受ける機会を失うと、中等教育、高等教育などで留年あるいは中退するといった弊害が起こることにもなり兼ねません。
そして、就学前教育を受けられた恵まれた同級生との間に大きな格差が生まれることになります。
例えば、就学前教育を受けた子供が初期の読み書きと算数の計算スキルなどを順調に習得する可能性は、就学前教育を受けていない子供の2倍以上になるとの見方もあります。
こうした影響は国によっても異なり、2019年に発表された報告書によると、ネパールではそれらのスキルを習得する可能性が17倍にまで膨れ上がると言われています。
つまり、就学前教育を受けられないということは将来に対して非常に大きなリスクとなるのです。
世界における就学前教育の現状
2019年現在、世界の子供の半分以上、約1億7,500人が就学前教育を受けておらず、低所得国ではわずか5人に1人しか就学前教育を受けていません。
これは教育のスタートで大きな格差が生じていることを表しています。
世界64カ国において、最も貧しい子供たちは、最も裕福な家庭の子供たちと比較して、就学前教育を受けない可能性が7倍も高く、世帯の経済状況、母親の教育レベル、および地理的なものも就学前教育の就学率に影響を与えており、特に貧困が一番の要因になっています。
以上のように、全ての子供が平等に初等教育を受けられるようにするためには、貧しい国でも子供全員が就学前教育を受けられる体制の構築が必要不可欠です。
次回の記事では、ターゲット3について解説していきます。