目標3.すべての人に健康と福祉を ターゲット2
妊産婦と同様に新生児や5歳未満児の死亡率も問題視されています。
世界的な人口が増え続けている一方で、各国における出生率は1980年以降右肩下がりとなっているのです。
新生児死亡率
新生児死亡率とは、年間の出生千対の新生児(生後28日未満の児)の死亡数を表します。
世界全体では約260万人の新生児が死亡し、うち約100万人が生まれたその日に死んだとみられているのです。
医療・衛生状態による国・地域ごとの差が大きく、国際連合児童基金(ユニセフ)の2017年時点推計による1,000人当たりの死亡数で、最も高いグループは184位のパキスタン(45.6人)、183位の中央アフリカ共和国(42.3人)、182位のアフガニスタン(40.0人)。
低いのは3位のシンガポール(1.1人)、2位のアイスランド(1.0人)で、「赤ちゃんが最も安全に生まれる国」は日本(0.9人)です。
死因は早産や出産時の合併症、肺炎などの感染症が多く、清潔な水や消毒剤があれば防げた事例が多いことが分かっています。
特に多い5歳未満児の死亡
5歳未満で亡くなる子供は年間540万人に上り、そのうち生後1か月以内の新生児が半分を占めています。死因の多くは予防や治療が可能な出産時の合併症や感染症です。
また、サハラ以南のアフリカの新生児死亡率は、高所得国の9倍にも上り、貧富の差が死亡率に大きな影響を与えていることがわかります。
小さな子どもを救うための取り組み
5歳未満児を含めた小さな子どもの命を救うための取り組みは様々な分野にわたって展開されています。
・医療面の取り組み
子どもの死亡に大きく直結している医療の面に関しては多くの取り組みが行われています。
医師団の派遣や予防接種ワクチンの供給・実施、また医療施設が不足している地域では施設を作るだけでなく、利用するための交通インフラの整備もされるようになりました。
・栄養面の取り組み
飢餓による栄養不足に苦しむ子どもたちを救うためには、安定した食料の生産・供給を確保し、長期的に国や地域の人々が自立して生産、供給できるシステムを作るということが重要になります。
そこで現在、生産しやすい作物の生産システムの構築や作物の安全な貯蔵、保存方法の確立、生産地から消費地までの輸送インフラの整備などが進められています。
・水衛生面の取り組み
安全で健康な生活をおくるためには、安全な水と水回りの衛生環境は非常に重要です。
きれいな水が供給されていない地域には井戸を作ったり、給水設備が整備されたりすると同時に衛生的なトイレや下水処理施設の建設が行われています。
次回の記事では、ターゲット3について解説していきます。