目標2.飢餓をなくそう ターゲット1
飢餓とは、食事から十分なエネルギーを得られないことによる不快や苦痛な状態です。
飢餓状態に陥ると栄養不良になり、病気にかかりやすくなったり完治しづらくなったりするほか、身体的・知的な発達の遅れに繋がり、消耗性や発育阻害を引き起す原因にもなります。
飢餓の原因
近年の飢餓人口増加の背景の一つであり、深刻な食料危機を引き起こす主要因にもなっているのが、気候変動による極端な気象現象や紛争などです。
気候変動の累積的な影響は、食料安全保障の4要素とされる「供給・アクセス・利用・安定性」のすべてを損ねます。
特に貧困層の生計や生計資産が気候変動性と極端な気象現象の影響をより受けやすくなっていることが、食料不安や栄養不良のリスクをひときわ大きくしています。
そのため、飢餓を撲滅するためには、気候変動問題に対する対策も重要です。
また、紛争により危険な地域にいる場合、危険な状況のために農作業ができなかったり土地が荒らされてしまったりします。
収入が得られないために食料を買うことができないなどの様々な要因により食料の確保が難しくなってしまいます。
急性食料不安(急性の飢餓)と慢性的な飢餓
飢餓には、不定期、突発的な危機による一時的な食料不足で起こる「急性食料不安」と、継続的に食料が手に入らないことで起こる「慢性的な飢餓」があります。
緊急的な食料支援や栄養支援のほか、危機的状況を脱出したあとも、自分で食料を手に入れられるようになるための自立支援が必要です。
飢餓の重症度合
SDGsでは、フードセキュリティ(食料の入手可能性)の重症度が明確化されています。
重症度は主に適切な質や量の食料を手に入れられるかどうかで示されており、以下の2段階に分類されています。
・重度な食糧不安(飢餓状態)
重度な食糧不安を経験している人々は食料が尽きてしまい、最悪の場合、1日(または数日)も食べられない状態にある
・中程度の食糧不安
中等度の食糧不安を経験している人々は食糧を手に入れる能力に不安を感じており、消費する食糧の質や量に妥協せざるを得ない状況にある。
重症度別で地域ごとに見ると、重度な食糧不安の比率が大きいのはダントツでアフリカです。
飢餓状態の人口は6億8780万人でしたが、中程度の食糧不安の人口も合計すると約20億人で世界全体の25.9%となります。
飢餓状態の人だけでなく、中程度の食糧不安を抱えている人にまで食糧が届くようにすることがターゲット1の目標となっています。
次回の記事では、ターゲット2について解説していきます。