目標16.持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、 すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレ ベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

特に開発途上国では、暴力やテロ、組織犯罪に対処するための国家機関の能力が不足しており、国際協力を通じた体制強化が不可欠です。

これにより、持続可能な開発と社会の安定を実現することが求められています。

ターゲットa　特に開発途上国において、暴力の防止とテロリズム・犯罪の撲滅に関するあらゆるレベルでの能力構築のため、国際協力などを通じて関連国家機関を強化する。

開発途上国における暴力・テロ対策の現状と課題

多くの開発途上国では、経済的制約や技術面の遅れ、法制度の未整備などが背景となり、暴力やテロリズム、組織犯罪に対する対策が十分に機能していません。

たとえば、アフリカの一部地域では、武装勢力による攻撃やテロリストの活動が頻発しており、政府の治安維持能力の不足が住民の生活に大きな不安をもたらしています。

また、東南アジアの国々では、密輸や麻薬取引に関連する犯罪が横行し、法の支配が弱体化している現状があります。

これらの問題は、単に治安上の課題にとどまらず、国の経済成長や国際的信頼性にも影響を及ぼし、貧困層のさらなる社会排除を招いています。

 

国際協力による国家機関の能力強化とその効果

国際社会は、開発途上国が暴力防止やテロ、組織犯罪に対抗するための能力構築を支援するため、各種の枠組みやプログラムを展開しています。

たとえば、国連の平和構築基金や国際連合テロ対策委員会は、途上国の法整備や警察・司法機関の強化に向けた技術支援、研修プログラム、資金援助を行っています。

また、国際金融機関によるクォータ見直しやボイス改革を通じ、途上国の意思決定権を拡大し、政策立案に必要な専門知識の向上を図っています。

こうした取り組みは、国内の治安維持能力を高め、暴力やテロの根絶につながるだけでなく、国際社会全体での平和と公正な発展の基盤を強化する効果が期待されています。

 

次回の記事では、ターゲットbについて解説していきます。