目標15 陸の豊かさも守ろう ターゲット7
密猟や違法取引は、絶滅の危機に瀕する動植物の保護にとって深刻な脅威です。
こうした犯罪に対しては、法的措置、国際協力、消費者意識の向上が不可欠であり、持続可能な生態系の維持を目指す取り組みが続けられています。
密猟や違法取引の対象となる野生動植物には、象牙、サイの角、トラの骨などがあります。
これらは高額で取引されるため、国際的な犯罪組織が関わるケースも少なくありません。
特に、アフリカやアジアなどで密猟が横行し、これにより生態系全体に大きな影響を与えています。
例えば、アフリカゾウは象牙を目的にした密猟で個体数が減少しており、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいても絶滅危惧種に指定されています。
密猟による個体数減少は生態系のバランスを崩し、将来的にはさらに多くの動植物が危機にさらされる恐れがあります。
また、こうした違法取引の背景には、伝統医療や工芸品としての需要があるため、密猟を減らすためには需要と供給の両面での対策が不可欠です。
密猟・違法取引の撲滅に向けた国際的な取り組みの一つに「ワシントン条約(CITES)」があります。
CITESは、絶滅の恐れのある動植物の国際取引を規制し、違法な輸出入を防ぐための枠組みです。
この条約の下で、対象となる種の取引に厳格な規制がかけられています。
また、国際的な捜査や情報交換を行うために、国際刑事警察機構(ICPO-インターポール)や世界関税機構(WCO)などの機関も協力し、密猟や違法取引の監視・取り締まりを強化しています。
さらに、多くの国々が国内法を整備し、密猟者や密輸業者に対して厳しい処罰を科すことで違法取引の抑制に努めています。
例えば、ケニアでは密猟者に対する罰則が強化され、密猟や違法取引が発覚した場合の罰金や刑罰が厳しくなりました。
こうした法整備や国際協力が進むことで、野生動植物の保護がさらに強化されています。
次回の記事では、ターゲット8について解説していきます。