SDGsとは

目標15 陸の豊かさも守ろう ターゲット6

目標15 陸の豊かさも守ろう ターゲット6

目標15.陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

遺伝資源は生物多様性の重要な要素であり、医療、農業、環境保護など幅広い分野で利用されています。

しかし、これらの遺伝資源が特定の国や企業に独占的に利用される場合、発展途上国や資源の提供者がその利益を受け取れない不平等が生じており、適切なアクセスの推進が目指されています。

ターゲット6 国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

遺伝資源とその活用の現状

遺伝資源とは、農作物や医薬品、化粧品などの開発に活用される植物や微生物などの生物の遺伝情報のことを指します。

遺伝資源を利用することで、新薬の開発や作物の改良が可能となり、特に生物多様性が豊かな地域ではこれらの資源が発展の鍵となっています。

しかし、こうした資源が国際企業や先進国によって採取されることが多く、資源を提供する国や地域が利益を受け取る機会が限られているのが現状です。

特に発展途上国において、遺伝資源の利用に対する対価が正当に支払われず、利益が分配されないケースが多く見られます。

こうした背景から、遺伝資源を利用する際の公正な利益配分の枠組みが国際的に求められています。

 

公正な利益配分とアクセスの意義

遺伝資源の公正な利益配分は、提供国の経済発展や資源の保全に寄与する重要な役割を果たします。

利益配分が適切に行われることで、提供国は遺伝資源を維持し保護するインセンティブを得ると同時に、持続可能な発展への資金を得ることができます。

このような利益配分の仕組みを定めた国際的な枠組みの一例が「名古屋議定書」です。

名古屋議定書は、遺伝資源の利用から得られる利益を提供国と利用者間で公正に分配し、各国が自主的に遺伝資源へのアクセスと利益配分を管理するルールを定めた協定です。

この協定により、資源利用の公正さと持続可能性が確保されることを目指しています。

 

次回の記事では、ターゲット7について解説していきます。

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