目標15 陸の豊かさも守ろう ターゲット1
陸域生態系は私たちの生活に欠かせない資源とサービスを提供しています。
しかし、これらの生態系は人間の活動によって急速に劣化しており、その保全と回復が喫緊の課題となっています。
陸域生態系と内陸淡水生態系は、私たちの生活や地球全体の健康に欠かせない自然の一部です。
陸域生態系には、森林、草原、山地、乾燥地などのさまざまな環境が含まれ、これらは生物の生息地としての役割や、気候の調整、土壌の維持といった重要なサービスを提供しています。
一方、内陸淡水生態系は、湖、川、湿地、地下水などの淡水資源を含む生態系を指し、飲料水の供給、水産資源の供給、洪水の緩和といった多様な機能を持ち、人間や多くの生物の生活を支えています。
陸生及び淡水性の生物多様性は、地球の健康と人々の生活に直接影響を与えます。
しかし、急速な都市化、農地開発、乱伐、汚染などの人間活動により、生態系は脅かされています。
世界的に保護区の設定は進んでいますが、すべての重要な生態系が十分に保護されているわけではありません。
国際自然保護連合(IUCN)のデータによると、世界の陸域の約15%、淡水域の17%が保護区として指定されていますが、多くは効果的な管理が行き届いていないのが現状です。
例えば、南アメリカのアマゾン地域や東南アジアの湿地帯では、保護区内でも違法伐採や土地開発が進行し、生態系の劣化が深刻です。
これらの事例は、生物多様性の保護には法的な保護に加え、地域コミュニティの参加と持続可能な管理が不可欠であることを示しています。
次回の記事では、ターゲット2について解説していきます。