陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

「陸の豊かさも守ろう」とは、地球上の森林、乾燥地、湿地、山岳地帯などの生態系を保護し、持続可能に利用することを目指す目標です。

 

陸地は、生物多様性を維持し、食糧や水、気候調整など人類の生活に欠かせない役割を果たしています。

 

しかし、森林伐採、土壌の劣化、砂漠化、生物多様性の損失などの問題が進行しています。

 

持続可能な森林管理や砂漠化防止、絶滅危惧種の保護などを通じ、陸域資源の健全な利用と環境保護を両立させることが必要です。

 

目標15では1〜9とa～cの12のターゲットで「陸の豊かさも守ろう」の実現を目指していきます。

目標15におけるターゲット一覧

• 1　　2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

 

• 2　　2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

 

• 3　　2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

 

• 4　　2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

 

• 5　　自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

 

• 6　　国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

 

• 7　　保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

 

• 8　　2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優占種の駆除または根絶を行う。

 

• 9　　2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

 

• a　　生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。

 

• b　　保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

 

• c　　持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。

 

次回以降の記事では、それぞれのターゲットについて詳しく解説していきます。