目標14 海の豊かさを守ろう ターゲット6
開発途上国など資金力に乏しい国々では、漁業を拡大するために補助金の活用が不可欠です。
しかし、漁業の乱獲を助長する有害な補助金が増加しており、これらを適切に見直し持続可能な漁業を支える補助金への転換が求められています。
世界中で行われている漁業活動において、国々はさまざまな補助金を漁業業界に提供しています。
しかし、これらの補助金が過剰漁獲や過剰漁獲能力の増大を招く場合があり、その結果、海洋資源の持続可能性が脅かされています。
特に、違法・無報告・無規制(IUU)漁業につながる補助金は、海洋生態系に甚大な悪影響を与えています。
IUU漁業は、管理や規制の枠外で行われるため、漁獲量が過剰になり、生態系バランスが崩れる原因となります。
さらに、開発途上国や後発開発途上国の漁業者にとっては、資源が枯渇するリスクが高まり、生計が立たなくなる恐れがあります。
このような状況を改善するためには、有害な漁業補助金の見直しと撤廃が不可欠です。
世界貿易機関(WTO)は、漁業補助金の問題に対処するための交渉を進めています。
2020年までに、WTO加盟国は、過剰漁獲を助長する補助金を禁止し、IUU漁業を支援する補助金を撤廃するための合意を目指しました。
この交渉においては、特に開発途上国および後発開発途上国に対して、特別かつ異なる待遇を提供することが求められています。
これにより、これらの国々が持続可能な漁業を実現しつつ、経済的発展を遂げるための支援が行われることになります。
2021年にWTOは漁業補助金協定に合意し、この協定は過剰漁獲やIUU漁業を減少させる重要な一歩とされています。
今後は、各国がこの協定を遵守し、漁業補助金の透明性を確保しつつ、持続可能な漁業を促進することが期待されます。
次回の記事では、ターゲット7について解説していきます。