目標14 海の豊かさを守ろう ターゲット5
海洋生物多様性の保全と持続可能な利用を実現するための取り組みとして、海洋保護区の設定があります。
日本では「海洋生物多様性保全戦略」に基づき、重要海域を選定し、保護区を設置することで、サンゴ礁や海草藻場などの重要な生態系が保全されています。
「沿岸域および海域の10%を保全」とは、海洋保護区の設定に関連する目標の一つです。
具体的には、生物多様性の保全や生態系の健全性を確保するため、沿岸域および海域の10%を海洋保護区として指定し、適切な規制や管理措置を講じることを目指すものです。
この目標は、国際的な取り組みとしても注目されており、日本では愛知目標として掲げています。
ただし、現状では日本の海洋保護区の面積は約8.3%であり、他国と比較するとまだ改善の余地があります。
今後、さらなる拡大と質的充実を図りながら、海洋保護区の管理と保全に取り組むことが求められています。
海外での取り組み事例として、フィリピンのトゥバタハ礁自然公園は、1988年に設立された海洋保護区で、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
この保護区は、豊富な生物多様性を誇り、さまざまな海洋生物の生息地となっています。
フィリピン政府は、トゥバタハ礁の保護と管理を強化し、違法漁業の取り締まりや観光客の規制を行っています。
このような取り組みは、海洋保護区の効果的な管理と生物多様性の保全に寄与しています。
次回の記事では、ターゲット6について解説していきます。