SDGsとは

目標14 海の豊かさを守ろう ターゲット4

目標14 海の豊かさを守ろう ターゲット4

目標14.持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

近年では世界的に、水産物をとりすぎたり違法なやり方で漁を行ったりする人が増えており様々な問題が生じています。

このままでは水産資源が減少してしまう恐れがあるため、解決策として「持続可能な漁業の推進」が必要だと言われているのです。

ターゲット4 水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。

世界の水産資源の現状

国連食糧農業機関が、2022年に発表した「漁業と水産養殖の現状に関する主力報告書」によると、2020年の世界の水産物生産量は2億1,400万トン、消費量が1億5,700万トンと過去最高であったとしています。

水産物の1人あたりの消費量も、1961年の9.0㎏から2019年には20.5㎏まで増えており、今後も人口増加が予想されることから、需要はますます高まるでしょう。

2030年には、健康や栄養に気をつけた食事への関心や流通の変化などを理由に、1人あたりの供給量が21.4㎏になると予想されています。

しかし世界では、水産資源の35.4%が持続可能な水準を超えています。

このままでは水産資源が枯渇してしまう可能性も考えられるため、持続可能な漁業へ切り替えていく必要があるのです。

 

持続可能な漁業とは

持続可能な漁業とは、水産資源と環境に配慮し、漁獲量や漁業の規模などに関して定められたルールを守りながら行う漁業のことです。

これにより、海洋資源の急激な減少や枯渇を防ぎ、海洋環境や生態系の回復が期待できます。

持続可能な漁業を推進するための主な原則には以下の3つがあります。

 

資源の持続可能性:水産資源を獲りすぎず、枯渇した資源を回復できる方法で漁業を行うこと。

生態系への影響:漁業が依存する生態系の多様性や生産力を維持する方法で漁業を行うこと。

漁業管理システム:国内や地域、国際的なルールを尊重し、持続可能な資源利用を実現するための制度や体制を整えること。

具体例として、Marine Stewardship Council(MSC)や水産養殖管理協議会(ASC)などの団体が、持続可能な漁業の認証制度を通じて適切な資源管理を促進しています。

持続可能な漁業を推進することで、海洋生物の保護や漁業関係者の生活の安定化が目指されているのです。

 

次回の記事では、ターゲット5について解説していきます。

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