目標10.人や国の不平等をなくそう ターゲット7
全世界での移住者数の増加に伴い、移住は多くの国にとって重要な課題となっています。
計画的かつ適切に管理された移住政策は、移民の安全と権利を守り、受け入れ国の経済と社会の発展に寄与することができます。
国際連合広報センターによると、国際移民の数は近年顕著に増加しており、世界人口の約3.5%を占めています。
地域別に見ると、国際移民を最も多く受け入れているのはヨーロッパ(8,200万人)で、これに北米(5,900万人)と北アフリカ・西アジア(4,900万人)が続いています。
国別に見ると、国際移民の約半数はわずか10カ国で暮らしており、中でも米国は、全世界の国際移民の19%に相当する5,100万人を受け入れているのです。
受入移民数の第2位と第3位はドイツとサウジアラビア(それぞれ1,300万人)で、これにロシア連邦(1,200万人)、英国(1,000万人)、アラブ首長国連邦(900万人)、フランス、カナダ、オーストラリア(それぞれ800万人程度)、イタリア(600万人)が続いています。
国際移民が増加している理由としては、経済的な機会の追求、政治的・社会的な不安定からの逃避、教育やより良い生活条件を求める動きなどが挙げられます。
移住政策の整備状況は、国や地域によって大きく異なります。
一部の国々では、移民の流入を積極的に受け入れるための包括的な政策が整備されている一方で、十分な体制が整っていない国や地域があるのが現状です。
具体例として、EUのような地域ではメンバー国間の移動を促進する共通政策がありますが、非EU国からの移民には各国ごとに異なる対応が見られます。
国際移民機関(IOM)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの国際機関は、移民政策のガイドラインを提供し、危機対応や移民の権利保護を促進しています。
しかし、移民政策は各国の内政問題と密接に関連しており、国際的な一貫性を持たせるための努力が続いています。
次回の記事では、ターゲットaについて解説していきます。