目標10.人や国の不平等をなくそう ターゲット1
経済の成長は国の発展にとって不可欠ですが、その恩恵が国民全員に等しく行き渡るわけではありません。
特に所得の下位層は、成長の恩恵を受けることが難しくなっています。
所得成長率とは、国の経済成長を表す指標の一つで、技術進歩率、労働の貢献分、資本の貢献分から構成され、国民の所得がどれだけ増加したかを示しています。
所得成長率が高い国は、貧困削減にも成功している傾向があります。
一方で、所得格差が大きい国では、貧しい社会経済的背景を持つ子どもの教育機会を損なうだけでなく、社会的流動性の低下をもたらし、技能開発を阻害することにより、格差が経済成長に影響を及ぼす可能性があるのです。
そのため、ターゲット1では国内における所得下位40%の所得成長率増加を求めています。
経済の持続的な成長と社会の安定のためにも、所得下位層の成長を促進することが必要なのです。
OECDによると、各国において下位40%の所得層の相対的衰退が経済成長を阻害する要因と言われています。
そのため、各国は所得格差の是正や社会保障制度の充実など、所得下位層の所得向上に向けた施策を行っているのです。
例えば、インドネシアでは、所得下位層向けの助成金や教育支援を提供することで、その層の経済的立場の向上を図っています。
また、ブラジルでは、所得補償プログラム「ボルサ・ファミリア」を通じて、低所得家庭に月々の給付金を提供し、所得の向上と貧困の削減を目指しています。
このような取り組みを通じて、各国は所得の下位層の経済的立場の向上を図っているのです。
次回の記事では、ターゲット2について解説していきます。