各国内及び各国間の不平等を是正する

経済的、社会的、政治的な不平等の撲滅を目指すこの目標は、全ての人々が公正に扱われ、平等な機会を享受できる世界を目指しています。

国々間、そして国内の所得の不平等は拡大の一途をたどり、特に開発途上国での格差は顕著です。

それらの格差をなくすためには、経済成長の恩恵を広く分配し、特に貧困層や脆弱な立場にある人々の経済的地位を向上させる取り組みが必要となります。

また、移民や移住者、国内の少数民族など、社会的に弱い立場にある人々の権利を保護し、彼らが社会のあらゆる面で平等に参加できるようサポートすることも、この目標の核心です。

目標10の達成に向けては、持続可能な経済成長を実現しながら、その恩恵をより多くの人々に届けるための施策や、不平等を生み出す要因を取り除く政策の導入が求められます。

結果として、社会的包摂性が高まり、多様な価値観や背景を持つ人々が共存し、共に繁栄する社会が形成されることを期待されているのです。

目標10では1〜7とa～cの10のターゲットで「産業と技術革新の基盤をつくろう」の実現を目指していきます。

目標10におけるターゲット一覧

• 1　　2030年までに、各国の所得下位40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。

 

• 2　　2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

 

• 3　　差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、並びに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。

 

• 4　　税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。

 

• 5　　世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。

 

• 6　　地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。

 

• 7　　計画に基づき良く管理された移住政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。

 

• a　　世界貿易機関（WTO）協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。

 

• b　　各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助（ODA）及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する。

 

• c　　2030年までに、移住労働者による送金コストを３%未満に引き下げ、コストが5%を越える送金経路を撤廃する。

 

次回以降の記事では、それぞれのターゲットについて詳しく解説していきます。