目標1. 貧困をなくそう ターゲットa 多国間援助
ターゲットaの記事でも述べた通り、ODAには支援方法が大きく2つあります。
直接途上国を支援する二国間援助と国際機関にお金を出して途上国を支援する多国間援助です。
今回の記事では多国間援助について解説します。
多国間援助とは国際機関を通して支援する方法を指します。
具体的には、子どものための国際機関である国連児童基金(UNICEF)や食糧問題に関わる国連食糧計画(WFP)などにお金を出し、国際機関に貢献するといった支援方法です。
日本は前述したUNICEFに加えて以下の国際機関へ資金を拠出し、多国間援助を行っています。
国際連合世界食糧計画 (WFP)
国際連合開発計画 (UNDP)
世界銀行 (IBRD)
アジア開発銀行 (ADB)
国別にみた具体的な支援例
インドに対する支援例
インドには資金を貸し付ける有償資金協力を中心とした協力をしています。
急激な経済成長によって必要となっている、インフラ整備の支援が主な協力分野です。
具体的な協力内容の一部に、必要な電力供給の問題、上下水道の整備などがあります。
しかし、経済成長をしているものの多くの貧困人口が存在しています。
貧困削減に向けた取り組みも行うことで、全国民の生活水準が上がり、
インド全体がさらに発展していくことを期待されています。
イラクに対する支援例
イラクには人道支援・経済基礎のインフラ整備により、国家の再建を目標に支援を行なっています。
具体的には、ISIL (イラクとシリアを活動拠点にしているイスラーム過激組織、通称イスラム国)の被害を受けたイラク国内の難民に対する人道支援や石油産業による経済成長の促進です。
石油の資源国であるイラクでは石油製品の生産や輸出によって雇用を増やす取り組みを行っています。
バングラデシュに対する支援例
バングラデシュには経済成長と貧困からの脱却を目標に交通インフラの整備と生活環境向上のための支援を行っています。
交通インフラの整備による地域格差の解消や、生活の環境を向上させるために災害予報などの防災・気候変動対策や安全な水の供給、母子保健の分野に取り組んでいます。
バングラデシュは途上国の中でも特に貧しい国であり、基礎的な社会の基盤を作ることを目標としています。
今回は政府開発援助(ODA)の多国間援助について解説しました。
ODAは経済の基礎がない途上国には無償で活動をし、経済の仕組みがある程度整っている国にはお金を貸して、国を成長させる支援方法であることがわかったかと思います。
支援方法も多様だからこそ、その国に合った適切な方法の選択が必要不可欠であると言えるでしょう。
日本では二国間援助と国際機関を通じた多国間援助を柔軟に使い分けるとともに相互の連携を図り、適切に援助が供与されるよう努力しています。