SDGsとは

目標1. 貧困をなくそう ターゲット4

目標1. 貧困をなくそう ターゲット4

目標1.あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

前回の記事では、日本国内における貧困対策の社会保障について触れました。

貧困問題を解決するためには、貧困層や社会的弱者を対象とした社会保護制度の拡充が有効な手段です。

ターゲット4では、貧困者や脆弱層も含めたすべての人が基礎的サービスへアクセスでき、経済的資源に平等な権利を持てるようになることを目指しています。
ターゲット4「2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。」

ターゲット4「2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。」

基礎的サービスとは、教育・保健・飲料水やエネルギーなどのインフラへのアクセス、土地所有権などの財産権の保障・天然資源・新技術・マイクロファイナンスを含む金融サービスへの平等なアクセス権を指します。

世界では、正規の銀行口座を保有していない人が17億人に上り、保有していない人の多くが途上国に集中している上に、その内の56%は女性です。

口座の有無は、経済格差にもつながっており、金融サービスの利用を増やす「金融包摂」が、「貧困撲滅」や「ジェンダー平等」といった多くのSDGs達成のカギとなっていることがわかるでしょう。

基礎的サービスへのアクセス権の現状

日本では成人の銀行口座保有率が世界でもトップクラスで高く、約96%の人が銀行口座を保有しています。

インフラが世界水準で整っていることや銀行の利便性の高さなどが要因として考えられます。

一方、世界全体では銀行口座を保有しない成人の数は上述の通り17億人もいると言われています。
世界銀行のデータによると、アフリカやアジアの各地域をはじめとする発展途上国で銀行口座保有率の改善が遅れている状況です。
さらに、銀行口座を持たない人の数は、経済の急成長を遂げている中国で約2億2400万人、インドで1億9100万人、パキスタンでは9000万人余りを超えています。
また、アメリカでも銀行口座を持たない人は相当数に上り、約1,800万人となっています。

貧困緩和策となるマイクロファイナンスとは

ターゲット4にあるマイクロファイナンス(小規模金融)とは、貧しい人々に小口の融資や貯蓄、保険などを提供する金融サービスを指し、低所得者の事業運営のサポートによって自立や貧困からの脱却を目指す制度です。

具体的には、途上国では雇用機会が乏しく就職が困難な状況にある人々がいます。
資金がなく銀行口座すら持てない人にとっては、日本では一般的な金融サービスである貯蓄や保険などへアクセスができていません。

このように貧困が新たな貧困を生んでしまう負のサイクルを解決、貧困からの脱却を目的とした金融サービスがマイクロファイナンスです。

マイクロファイナンスが貧困の緩和に繋がる理由

マイクロファイナンスは貧困状態をしのぐためではなく、貧困層が行うビジネスに対しての融資であることが条件とされており、融資によりビジネスを発展させ、貧困状態を改善させることが目的です。

さらにマイクロファイナンスは、努力の成果として報酬が得られることから、向上心が育まれ、前向きな姿勢で貧困状態から脱却できる点が表かされています。加えて、多くの事業が展開され発展することが、結果として貧困地域の経済活性化に繋がるメリットも見込まれます。

BNPパリバ銀行の調べによると、2016年時点でおよそ1億2,300万人がマイクロファイナンスを利用していますが、そのうちの約84%が女性です。

マイクロファイナンスは女性の地位向上や経済的自立にも効果があると期待されています。

次回の記事では、ターゲット5貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)構築と脆弱性の軽減について解説していきます。

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