目標6.安全な水とトイレを世界中に ターゲット2
日本ではごく当たり前に使用できている水や衛生環境ですが、確保できている国や地域とい
うのは少なく、今も多くの人が安全な水の確保ができていません。
2018年のユニセフによる報告によると、安全に管理された衛生施設を利用できる人は全体
の45%(34億人)に留まっていることが分かっています。
安全に管理された衛生施設(トイレ)以外については、以下の4つに分類されます。
①基本的な衛生施設
他の世帯と共有していない、改善された衛生施設(人間が排泄物と接触しないよう、衛生的
に設計された衛生施設):29%(22億人)
②限定的な衛生施設
他の世帯と共有している、改善された衛生施設:8%(6億2700万人)
③改善されていない衛生施設
足場がないピット式トイレやバケツに排泄して外に捨てる方式のトイレ、池や川の上に設置
され排泄物がそのまま落ちる方式のトイレなど:9%(7億100万人)
④屋外排泄
道端や野原、森、やぶ、水域、海岸、その他の屋外で排泄を行うこと:9%(6億7300万人
)
屋外排泄は2000年以降、急速にその割合を減らしました。
しかしまだ9%の人が屋外排泄をせざるを得ない状況にあるとも言えます。
その多くはサブサハラアフリカなどに集中しており、39カ国では屋外排泄をする人はむし
ろ増加傾向にあるとされています。
衛生施設は何もトイレだけに限りません。手洗い設備も衛生施設の1つです。
世界の人々の自宅における手洗い設備へのアクセス状況を見たとき、基本的な手洗い設備が
ある人は全体の60%(45億人)存在します。
一方、水または石けんがない限定的な手洗い設備しかない人は全体の22%(16億人)、そ
もそも手洗いのための設備がない人が18%(14億人)存在するのです。
安全に管理された衛生施設がないとどうなるのか
トイレや手洗い施設といった衛生施設がないのは、環境として不衛生であると言えます。
ただトイレや水で洗える手洗い設備があれば良いというわけではありません。
排泄物は安全に処理され、帰宅後や排泄後には石鹸を利用して手洗いができる環境が望まし
いとされています。
例えば排泄物を安全に管理できない状況は、免疫力の低い子どもたちや高齢者に下痢症を発
症させる恐れがあります。
子どもたちだけでなく、人々の健康を守るためには衛生的に管理されたトイレと水と石鹸に
よって手洗いができる設備が必要です。
次回の記事では、ターゲット3について解説していきます。