目標15 陸の豊かさも守ろう ターゲットb
森林は地球の生態系にとって不可欠な存在であり、その保全と持続可能な管理が求められています。
特に開発途上国では、森林保全を進めるための資金とインセンティブの確保が重要な課題となっています。
森林は地球の「緑の肺」として知られ、二酸化炭素の吸収や酸素の供給など、地球規模での環境保全に欠かせない役割を果たしています。
また、水資源の循環、土壌の保護、生物多様性の維持など、私たちの生活を支える生態系サービスを提供しています。
しかし、農地開拓や違法伐採、都市化などの要因により、森林面積は急速に減少しています。
特に、熱帯雨林が広がるアマゾンや東南アジアの森林では、年間何百万ヘクタールもの森林が消失しており、このままでは生態系のバランスが大きく崩れる可能性があります。
持続可能な森林管理を進めるには、森林伐採の影響を最小限に抑えつつ、植林や再生プロジェクトを実施することが必要です。
森林保全を実現するためには、国内外のあらゆる資金源を活用し、効率的な資金調達を行うことが不可欠です。
国際社会では「森林炭素取引」や「気候資金」など、さまざまな仕組みを通じて資金を動員する取り組みが進んでいます。
たとえば、国際連合の「REDD+(森林減少と劣化から生じる温室効果ガス排出の削減)」プログラムでは、森林保全に取り組む開発途上国に対し、経済的なインセンティブを提供しています。
この仕組みにより、違法伐採を抑制し、森林の持続可能な利用を促進しています。
また、民間セクターでは「グリーンボンド」や「サステナビリティファンド」などの金融商品を通じて、森林保全に投資する動きが広がっています。
これにより、企業の環境貢献が利益として還元される仕組みが整備されつつあります。
国内では、森林保全のための税制優遇措置や補助金制度が設けられており、特に地方自治体では森林整備や再植林に対する支援が強化されています。
これらの取り組みは、森林の持続可能な利用を促進し、地域経済の発展にも寄与しています。
次回の記事では、ターゲットcについて解説していきます。